へんくう農業日記

こだわり農業の記録

農薬のいらない田んぼ

お絵かき隊がアートをやっている田んぼにはジャンボタニシがいます。稲を食べる害虫です。

ジャンボタニシの卵】
ジャンボタニシ外来種で、彼らがいったん田んぼに入ると大量の卵で大繁殖し、いくら取り除いても薬をまいてもきりがありません。

農家にとっては大の嫌われ者のジャンボタニシですが、駆除ができないなら利用してやろうと、ジャンボタニシ除草の農法が生まれました。
お絵かき隊の指導者である百姓・木村さん(田んぼ請負業)もこの農法を取り入れ、田布施界隈でジャンボタニシに困っている田んぼで、彼らを利用した稲作が始まりました。

ジャンボタニシは柔らかい草を好んで食べます。田植え直後の幼い稲は格好の餌食なので、苗を大きく育ててから植えます。それでも他に食べる草がなければ稲を食べてしまいます。これを防ぐため、タイミングを見計らって水を抜きます。水がなくなると彼らは土にもぐって休眠するのです。草が生えてきたら水を入れて草を食べさせます。

ジャンボタニシ共生田には草1本ありません!
彼らが働いてくれるお陰で、僕たちは水の管理をするだけで、除草作業はほとんどしなくて済みます。有機栽培というと大変というイメージがありますが、ジャンボタニシはハッキリ言って楽!です。

これが『ジャンボタニシ共生田』です。

▲注意▲
ジャンボタニシのいない田んぼにジャンボタニシを持ち込んではいけません!

ジャンボタニシ外来生物法で『要注意外来生物』に指定されており、「未定着の地域に放すことのないよう注意すべき」とされています。
木村さんのジャンボタニシ共生田は、既にタニシが繁殖してしまった田んぼだけで行なっています。また、田植え機などにくっついて拡散する事を防ぐため、ジャンボタニシがいない田んぼの請負は断っています。


ジャンボタニシ共生田は除草剤をまく必要がありません。だから環境への負担も身体への負担も財布への負担もありません。そして安全なお米ができます。それでこんなに楽チンで、さらに害虫で困っている田んぼを活用できるのだから、これは画期的ですよね!