へんくう農業日記

こだわり農業の記録

環境保護は誰のため?

 今年、我が町で町長選挙に挑戦した若者がいた。松村文彦さん、31歳だ。当選には及ばなかったものの、多くの票を集めた彼の政策提言には、ある特徴があった。持続可能な町、自然と共生する町を目指すというのだ。この思想は彼が開催しているイベントにも現れている。それが前回触れたアースデイだ。
 アースデイは4月に世界・日本各地で開かれる環境イベントで、彼は光市で「アースデイ@瀬戸内」を開催している。自然エネルギーの展示や体にいい食べ物の販売、動物や自然とふれあうコーナーなどがある。一見すると普通のお祭りだが、出展者に話を聞くとそれぞれこだわりの取り組みをしていることがわかる。松村さんやアースデイに集まる人達の話は興味深いことばかりだ。
 地球とか環境保護と言うと大変そうと聞こえるが、なにも自分の事より自然を守ろうと言っているわけだはない。自分や子供達が長く幸せに暮らしていきたいと思うと、おのずと健康第一になり、持続可能なやり方を選ぶようになり、結果として自然と共生するライフスタイルになっていく。根本は自分達のためなのだ。
 僕達の子や孫の時代には、環境問題や資源の枯渇はもっと深刻になっているだろう。

山口新聞 『東流西流』 2010.12.30掲載
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