へんくう農業日記

こだわり農業の記録

最近の若い人達

 最近、農業が人気という話をよく聞く。定年後に始める人だけでなく若い人にも人気のようだ。僕が子供の頃は、よりいい学校に進学し、よりいい企業に就職する事をみんな目指していた。農業などの第一次産業は、親の後継ぎか、上を目指せない人がするものだと、そう思っていたのは僕だけではないだろう。今考えれば失礼な話である。誰のおかげで食べていけるのか解ってなかった。
 今年、イチジク栽培のジャム講習で田布施農工高校を訪れた。手伝ってくれたのは農業研究部の生徒達。そんな部活があることも驚きだが、生徒達は純粋に農業が「面白そうだったから」と言うのだ。いかにも今どきの女子生徒達が、である。農業はダサいと思っていた自分が恥ずかしくなり、若い子達の感覚が嬉しかった。
 僕が参加していた田んぼ講習会でも若い人が多かった。こちらも女の子が多い。農家は嫁が来なくて困っていると思っていたが、最近は事情が変わったんだろうか。実際に田んぼを始めた人も、20〜30代が僕の周りだけでも10人以上いる。つい2年前までサラリーマンだった僕には信じられなかったが、実は僕が知らなかっただけなのかも知れない。
 この「周り」の人達とは、主に環境イベント「アースデイ」が縁で知り合った。環境のことを考えている人達だ。

山口新聞 『東流西流』 2010.12.23掲載
<連載7 | 一覧 | 連載9>