へんくう農業日記

こだわり農業の記録

有機栽培

 僕が田んぼを始める時、農家の人から「有機栽培でやるのは大変だぞ〜」と言われていた。有機栽培は、有機物つまり(主に)生物由来の肥料等で栽培する方法だ。法律上は化学肥料や化学農薬を使わなければ有機栽培と定義されている。
 僕が始めた田んぼは3ヶ所。それぞれメンバーは違うが、いずれも有機栽培で行った。1ヶ所は有機肥料を使った。1ヶ所は小規模なので草取りや虫取りは手作業で問題なかった。もう1ヶ所は除草剤が必要ない田んぼ。ジャンボタニシが草を食べてくれるからだ。ここは楽だった。ただし、ジャンボタニシ外来種であり飼育や移動がご法度なので、他の田んぼでは真似できない。
 僕の知り合いで同時期に田んぼを始めた人が10人位いるのだが、聞いてみたら全員有機栽培だった。素人だから有機栽培の大変さを知らないという事もあるだろうが、やっぱり安全なお米を食べたいし、自分が農薬散布のために健康を害したくないのだ。
 僕の場合はただ農薬をまくのがめんどうくさいだけだった。そうすると草取りや虫取りが大変になるが、僕はそれもサボり気味だった。その結果、虫や草は普通の田んぼより多かったようだ。でも、それを気にして完璧を求めるのではなく、別にそれでいいんだと思ってしまえば、はい、有機栽培のできあがり。

山口新聞 『東流西流』 2010.12.2掲載
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